IMOCAの先進技術が記録更新に寄与


2020年11月4日

IMOCAの最も新しい世代は確実にVendee Globe の記録を更新するでしょう。HugoBoss号のイギリス人スキッパー、Alex Thomsonは火曜日(11月3日)レ・サーブル・ド・オロヌで、「天候に左右されるが、新記録は59日間から70日間(2021年1月5日から16日の間)」、だと意見を述べました。2016年~17年の大会の優勝者、Armel Le Cleac'hは彼の地球一周の優勝ラップを74日間で完走しています。前回のVendee Globe依頼、航海のすべての地点でのスピードは、フォイル、データ、そしてスキッパーの安全、の3つの主な分野の革新のおかげで増大しました。

フォイルは2016~17年の鶏の羽根のサイズから3倍の大きさに拡大しました。

「フォイルの明らかな革新はその大きさにあります。4年前、私達はまさにこれら新装置の揺籃期にありました。しかし、それは論理的です。すべての目に見える所は大きく変化しました。その結果、いつものVendee Globeのサイクルのように、スピードの増加、そして、すべての物が進歩しました。自動操縦装置、データのセンサー、密閉されたコクピット、すべてが、供給され、さらなるスピードの中で居住するため、目標になりました。しかし、このスピードの中で、艇は大きな騒音と衝撃を伝え、スキッパーはこのどうしようもないレベルの不愉快さを受け入れざるを得ませんでした」とArmel Le Cleac'hは述べます。

フォイルはわずか12ノットの風でも船体を浮かび上がらせる、第4世代として開発されました。そして前回の大会以来、IMOCAクラスは水平線から5度の角度までフォイルが回転するようになっています。「これは、今までになかった、向かい風でより早く走るための大きな変化です」、IMOCAクラスの代表Antoine Mermodは強調します。

安定性、安全性、そして性能のためのセンサー類

スキッパーのデータセンターに重大な情報を提供するという緊張感の中で、光ファイバー回線が全ての機器に接続されています。Nicolas Troussel (CORUML'Epargne号)と一緒に作業をする、Sebastien Josseはそれをはっきりと説明します、「このレースに成功する本当に秘密の事項は、スキッパーが彼または彼女の照準、カーソルを正しい位置にセットすることです。高い平均スピードを、正確に計算された選択したぎりぎりの長時間にわたって維持することは、センサーなしには考えられません、光ファイバーのおかげで、スキッパーは変化する動きを瞬時に知ることができます、例えば、フォイルの変形や船体への衝撃などです。運を天に任せることはできません、チームはよりもっと洗練されてゆきます。フォイル艇に乗った人は、Vendee Globe では俊敏なデータ収集家であり、それを帆やフォイルの形状について処理する人なのです」。

 

Hugo Boss号の船上には350のセンサーが、舵から船体にまで、艤装とフォイルを含めて、艇を通して配置されています。もし、先端が触れて警報が出されると特にどこの艤装品の動作が問題なのか知ることができます。最新のIMOCAフォイル艇の統一された艤装は、デザインにより危弱性が考慮されています。それは、転覆する力の動きを制約し、汎用化しています。これは可用性です。

最も大きな変化のAI自動操縦装置

データ収集、処理、先進的なアルゴリズムに沿った機械学習は顕著な誘導を可能にしました。長い間スキッパーは手動操作より自動操縦をしてきました、しかし、2020大会では顕著な進歩がありました。センサーのおかげで、自動操縦装置が艇の動きを感知し、進路逸脱、縦揺れ、横揺れを見つけます。艇の速度が上がるにつれ、進路が変わり、自動操縦装置は見かけの風の角度を維持するためにコースを管理し、速度をより安定させ、そして、スキッパーが調整するのに注力している間に、艇が飛ぶのを維持することに注意するのか、艇がこの最適な速度と角度を維持するために必要なのは何か、を予測することを学習します。先進的なAIによる新しいアプリケーションは、スキッパーがやろうとすると不可能な、セールとフォイルのトリミングに要求される作業と相互作用の平準化を図ります。

艇の安全、船員の安全

ひょっとして、天候にたたかれ、塩にまみれたレース完走者のイメージは過去のものになったのでしょうか?いまでは、高速のフォイル艇のスキッパーはほとんどの時間を完全に保護されて過ごし、甲板より室内でより多くの時間を費やして上陸してくるでしょう。「Alex Thomsonは、この居住空間と作業場所を室内に持つことで、完全な概念を作りだしました。彼は、船上のカメラのバッテリーのおかげで、スクリーン上で帆や海を見張ります。実際の風やしぶきの感覚はもうありません。厳しさは完全に排除されています」と、Apiva号のCharlie Dalinと一緒に先のTransat Jacques Vabreの優勝者で2016年のVendee Globeで5位の Yann Eliesは考えます。

 

安全の分野の中で、何年にもわたって、そのために船体を壊し、リタイア―を余儀なくした、未確認物体、またはクジラへの衝突を回避するいくつかのシステムが開発されました。Oscarはマストのトップに格納された箱です。3つのカメラが内蔵され、2つは先進的なAIプログラムに連動した熱感知カメラで、艇の先の4mから150m、最大600mまでの物体を判別することができます。この第9回のVendee Globeでは、18隻のIMOCAがこの装置を持っています。

 

クジラに嫌な音を出す発信システムが外洋レースのために開発中です。唯一3人のスキッパーがこれを艇のキールに取りつけます。そして艇の上では通信がさらに進歩しました。新しく、もっと安定性の高いアンテナが装備され、それらがすべてがより良いパッケージになっています。陸上との交信はそれゆえにより容易になっています。使いたくはないでしょうが。

睡眠とエネルギーのレベルは計測され最適化されます

そして、今までにない速度の中で、スキッパーの睡眠と物理的なコンディションはパフォーマンスのレベルを維持することに直結します。Thomas Ruyant (LinkedOut号)は彼のレース中のパルスと心拍などのデータを常に収集するベルトをつけます。目的は疲労の度合いを示し、回復の必要性の数値を見つけることです。同じく、Alex Thomsonは携帯装置を使い、リアルタイムに彼の物理的、精神的な状態を分析するセンサーを持っています。そして他の人もそうであるように、

パフォーマンスがスランプになり、ミスが起こり、そして意思決定があいまいになる、スキッパーが精神的、物理的にレッドゾーンに落ち込むことがないように、確実にしようと試みています。

翻訳:Watson Courtier  as of Nov.7th 2020