どのフォイルがVendee Globe で勝つか

2020年8月19日 Vendee Globe News

English Original

無寄港世界一周単独航海の次の勝者はフォイル艇に搭乗するフォイラーであることががほぼ確実ですが、どの形のフォイル(付属装置)が21,600マイルを越す中でのすべての問題点をこなすことができるでしょうか?もし、私達が2016年に装備されたのIMOCAのフォイルと最新の世代のプロトタイプを見るならば、デザインの点で、艇の航海に影響を与えるであろう、ある多くの相違点を見出すことができるでしょう。どのアプローチが突出しているでしょうか?

11月8日に30隻以上の艇が出走しますが、19隻が、特にリアルウインドで80度から120度の間の方位の風で航海する場合、フォイルによる優位を持っています。それは世界一周レースの航海でレ・サーブル・ド・オロヌのスタートとフィニッシュで優勢になる地点でもあります。この季節の天候はカナリア諸島を超えると比較的安定しています。北東からの貿易風は、無風地帯、カーボベルテ諸島(アフリカの北西部)の南へ向けて東からの風に向きを変え、そして南東の貿易風は赤道からサルバドール・ダ・バイア(ブラジル北東の島)の緯度へ向けて東からの風に向きを変え、北からの北西の風が喜望峰へ向けて吹きます。低気圧の連続に追われて(北西の風が西からの風に戻り、やがて南西の風になる)、ホーン岬に至ります。その後、年末かどうかははっきりしませんが、彼らはアルゼンチンの沿岸を昇り、ブラジルを過ぎて北大西洋に入ります。

帆を張ったうえでの浮揚と頑丈さ

一般的に、反時計回りの世界一周レースでは80度から120度の間の角度で風を受けて進むのが有利です。風は必要不可欠であり、必要以上にヒールすることなく素早く動かすために大きな面積の帆を使うための、艇の頑丈さ、または性能はそれはまさにこの条件下です。2014年までを振り返ってみると、IMOCAクラスのルールは、風からの押しに対して効果を出すためには、水のバラスト(海水で満たされたタンク)をある量にする考え方が基礎となっていました。その後、設計者に許された、艇の能力を上げるために多くの帆の使用や艇をより頑丈にするための新しい考え方が出せるようになったことで、新しい試作艇に対して許される量は縮小されました。これらの艇が帆の面積によってパワーを持ったことを決して忘れてはいけません。

このことがVPLPチームがGuillaume Verderと彼のチームと協力してこれら単胴艇にフォイルを装着することを考えだした理由です。2013年のアメリカズカップで、72フィートのカタマランが、回頭、またはタックを行う機動作戦中にも関わらず水上を飛んだおかげで、これらの装着物について多くが学習されました。しかしながら、単独世界一周航海で単胴艇に乗って飛ぶという考えは疑問に思われていました:海面を2か月半も飛ぶことが可能なのか?

 

設計者たちは艇について、もしフォイルが壊れた時でもフォイル(それは艇の重量のわずか30%しか支えていない)なしで航海することができることを思いつきました。その世代が第8回大会を席巻したBanque Populaire VIII号とHUGO BOSS号です、しかし、わずか6隻の単胴艇がフォイルを装着しただけでした。これらの装着備品は、しかしながら、ものすごいパワーを提供しました。そして、それはダガ―ボードを装着した艇がそのペースを維持することを不可能にしました。

 

これは始まったばかりでした:フォイルは相対的に短く、その形状は、およそ3トンのため、艇を軽くすることが不可能でした。一方で、彼らは必死に荷重の制約のもとで形状を変えることに挑みました。

3種類の主なフォイルのタイプ

今、4年たって、このVendee Globe 第9回大会に勝利するのはフォイル艇であるとほぼ認識されました。期間半ばでの調査では、形状とみかけは大幅に進化をしていました。最初の世代の「理にかなった」バージョンから、設計者たちはよりもっと効果的で優れたバージョン、それは艇の重量の100%を支えるバージョンに移行しました。それで、艇は今では海面の上を、継続した期間、きちんと「飛ぶ」ことができます。

これらの付属品はずいぶん長くなっています、みかけはよりもっと洗練されました、そして、フォイルの最新の自己規制の中での形状変更は1m以内です。得られるパワーはベストの角度(実際の風に対して90度から100度)で、2016年バージョンは艇速およそ25ノットに達したという事実によって証明されたと考えられています。いまは、新世代のフォイルを装着したIMOCAの前の世代の単胴艇では27ノットに達します。一方で最新鋭の新造艇では30ノットに達することができます。

 

スピードの違いは特に風に対する角度が80度から120度で強くなります。VMG(実行速度)は追風で得られ、そして特に向かい風、またはクローズドホールドでは45度から50度で得られます、しかし、140度以上の広い角度の追い風では伝統的なダガ―ボード艇は不利になります。

 

しかし、同じく、最新の試作品と彼らの前身となった、それがたとえ2020フォイルを装着した艇であったとしても、その間の違いを作りだしているのは、特にフォイルとの共演をし、全体の重量を削減して2020年世代の艇の性能を上げるように設計された船体です。既存の設計の船体に取りつけられたフォイル取り付け穴とフォイルは数百キログラムの重量を増加させることを心にとどめてください。

2020年のフォイル艇の中では2つの設計(デザイン)が可能です。HUGO BOSU号やArkea-Paprec号、Corum L Epargne号、そして、L'Occitane en Provence号のような”C"型の形状を持つ付属品(フォイル)、そしてそれから、”L"型のフォイルのCharal号、LinkedOut号、Apivia号、またはPBR号、MACSF号、Sea-Explorer-Yacht Club Monaco号。C型は特に先端の広範囲の素早い到達性能があり、向かい風が弱くても到達し、そして、これらの装備は、荒れた海でも波でダメージを受けないように完全に引き抜くことができます。L型はもっと多彩だといわれています。到達性能はすこし劣りますが、VMG角度(向かい風、追い風ともに)ではより効果的です。

紙の上では、最新のフォイル艇が最も可能性を持っているといわれます。それは2020フォイルで最大限性能が高められた船体によって支えられています。それから、2016艇、そして軽量化されたダガ―ボード艇が続きます。しかし、忘れてならないのは、この単独無寄港世界一周レースでは常に不確実性と未知の世界が待ち受けているということです。現在、常にフォイルをセットして作業をすることなしに継続的に「飛ぶ」ことが可能だとは思われてはいません。確実な天候と風の状態が協議の中で優位性を生む鍵だと思われます。そして大きな差が現れます。しかし、誰が結果を出し全体的な勝利に貢献するのでしょうか?答えは2021年1月にあります。

翻訳:Watson Courtier as of 23 Aug.2020.